Vol.10 医療から見るHIV/エイズの現状

HIV予防の今後の展望、認識しておくべき事とは

鳥居薬品 presents 「messenger」第10回目のOA。
messengerでは、HIVに関連する性差別や偏見のない世界を目指すため、HIV感染症は身近な病気であるということをより多くの方に知って頂き、HIVについての正しい知識を身に付けることができるよう、音楽を通じて継続的に情報をお届けいたします。
ジョー :
今週は先週に引き続きゲストをお迎えしております!
国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 上村 悠 先生です!
先生今週も宜しくお願いします!

全員 :
よろしくお願いいたしますー!

ジョー :
先週は、先生にHIV/エイズの現状の正しい知識を教えてもらい、HIVの差別偏見をなくしていくことの重要性を教えて頂きました。もう少し、HIV/エイズの現状についてお聞きしたいのですが、
日本ではここ数年、HIV感染者はどれくらい報告されていますか?

上村先生 :
1年に1500名くらいの新規感染者が報告されています。1日に換算すると4~5名です。今では累積すると2万人以上の人たちがHIVの治療をおこなっていますといわれています。

ジョー :
これ他の国に比べてどうなんですか?

上村先生 :
先進国の中では増えている方なんですよね。国によっては落ち着いてきているところもあるのですが。ただ、増える速度がだんだん落ちてきてはいます。

ジョー :
なるほど。じゃあその増えるのをストップする方法ですよね?その取り組みを教えて頂けますでしょうか?

上村先生 :
今では薬がとてもよく効くんですね。早い段階で薬を飲めば、HIV感染症のウィルスをぐっと抑えることができるので、そのおかげで人に移す事も無くなっていきます。ですので、早期発見、早期治療が基本的な取り組みです。

タイジ :
その薬で完治するという事は?

上村先生 :
残念ながらまだないです。なので、薬を飲み続けなければならない、という事になります。

ジョー :
飲み続けていれば普通の生活が出来る、ということですよね。副作用とかは?

上村先生 :
副作用はあるはあるんです。ただ、副作用が少ない薬にどんどん変わっておりますので、その方に合う薬が見つかれば、ずっと飲み続けられて、何の問題もなく1日1粒、2粒の人もいらっしゃいます。昔はですね、両手いっぱいの薬を飲まないといけなくて、何時間に1回飲み、副作用も強い薬だったんですが、今ではそのように改善されています。

ジョー :
僕らもね、この番組で、HIV感染者の方の手記とかをご紹介したんですけども、感染者の方でちゃんと結婚して、子供が生まれたとかそんなのをご紹介しているのですが、それも基本的には問題ないということですよね?だから、本当に日常の生活が薬を飲んでいれば問題ないということなんですね。

上村先生 :
ただですね、早期発見、早期治療を行ってきたんですが、まだ新規感染者の数が減らないんですよね。それがやっぱり問題なんです。

ジョー :
ということは、検査がちゃんと行われていないとか、予防がまだ十分でないということなんですかね。

上村先生 :
予防というのは、基本的には、感染リスクの少ない安全なセックスをするという、セイファーセックスと呼んでおります。コンドームを使ってセックスをするということなんですが、啓発してもなかなか減らないのが現状です。

タイジ :
おれ思うんだけどさ、日本人のセックスっというテーマね、テーマとしてのセックスってすごい奥座敷におくよね。奥座敷におくからすごい、エロチックで、日本の性ってすごい進んでると思うんだけど、その感覚としては。
でも、影においてるから進んでいるだけであって、表立ってセックスの話ってあんまりしないんだよ。テレビでセックスの話ってしないじゃん。
じゃあセックスって一体何なんだ、みたいな話ってテーマとしてはすごい好きで、理解を超えたとこにあるものもあるわけじゃない?意識としてのセックスって、表立った議論ってもっとした方がいいような気がする。セックスを表に出すというか。

ジョー :
あるべきだと思いますよ。でも残念ながら日本は、KYという言葉がありますけど、空気読まないっていうね。空気って何かっていうと、パブリックな場で、政治の話と性の話をするのはタブーで、例えば職場で政治の話とか性の話をするとこの人やっぱり変わってるっていう風に言われてしまうっていうね。これは長らくある問題なんですよね。

タイジ :
日本人のセックスに対して、オープンに議論するっていう感覚が少ないような気がする。

上村先生 :
セックスの話を医療従事者の間で話をしても、やっぱりタブー感がどっかあるんですよね。

ジョー :
先生、今日は堂々としましょう!

上村先生 :
それではちょっとさせて頂きますね。これはゲイの方であっても、男女間の異性愛、同性愛関係なくですね、セックスというものは無くすことが出来ない、あるという風に認める必要があると思います。
近年では新しい有用な取り組みが出てきたんですね。感染する可能性があるセックスをする前に、予防的にHIVの薬を飲む、そういうのが出てきたんです。
私たちこれを専門用語で暴露前の予防、英語の頭文字をとって「PrEP」と呼んでいます。セックスをする前に予防的にHIVの薬を飲むということです。これは効果が90%以上あると考えられてます。

タイジ :
コンドームをするのと、お薬を飲むのとで、感染予防にはどっちがいいんですか?

上村先生 :
これはですね、まだ分からないんですが、ただ、同じぐらい効くと考えていいと思っています。ただ、両方必要だと思います。というのは、HIV以外にも性感染症はたくさんあるんです。ウィルス肝炎だとか梅毒、淋菌、クラミジア、そういうのを予防するためにはやっぱりコンドームが必須なんですね。

ジョー :
やっぱりコンドームなんですね。さっきセイファーセックス。より安全なセックスですね。ちなみに危険なセックスってあるんですか?

上村先生 :
時間帯大丈夫ですか?直接的な表現になってしまいますが、聞きたくない人は耳ふさいでください!
HIVの中でいうと、一番危ないのは、ゴムをつけないで、生でするアナルセックスです。その他には、よく研究で言われているのは、グループセックスだとか。あとは出血を伴うセックスだとか、異物を入れたりですね。そういうのは感染症のリスクをあげるんですね。

ジョー&タイジ :
なるほどー。

上村先生 :
だから、例えばですね、ゲイの方々の中で、アナルセックス止めるのはなかなか難しいとしても、そういう危ない行為はしないでください、と僕は頼んでいます。セイファーセックスです。

ジョー :
それは例えば、アナルセックスでもコンドームをつければどうなんですか?

上村先生 :
本来ですね、アナルって肛門ですから、モノを出すところです。入れるところじゃないんです。女性の膣と違って、ペニスを入れるようには出来ていないんです。なので、どうしても出血は起きてしまうし、とても感染のリスクは高くなってしまうんです。なので、いいです、とはなかなか言いづらいんですが、ただ、優しくゴムをつけてしてください、と私は言っています。

タイジ :
予防薬と治療薬は別??

上村先生 :
同じなんですけど、治療するときには、薬の種類が増えます。予防の時は薬の数が減ります。

ジョー :
その予防薬ってどこでもらえるんですか?

上村先生 :
これがですね、日本ではまだ認められてないんです。

  
ジョー&タイジ :
えーー、そうなの!?

タイジ :
法律上?アメリカでは認められてるの?

上村先生 :
そうですね、認められています。それでですね、どうにか日本でも出来るようにしたいなーと思って、活動を行っています。

タイジ :
それはいいですねー

ジョー :
それは下がることなんでしょ?感染率が。

タイジ :
予防するための薬が日本にはあって、それを使ってはいけない、ていう法律があるの?

ジョー :
保険の対象にはならないってことじゃないの?

上村先生 :
予防としては、その薬は使っちゃダメです、ということになっています。

タイジ :
アカンやん、それは国が感染者を増やしとるってことやん(笑)

上村先生 :
これから認められると思うんですが。ちょっとまだ時間差があってですね。それを私も認めてもらえるように準備をしていて、2020年の東京オリンピックをやると人が集まりますから、性感染症が増えるんですよね。
で、その前にどうにかそういっ「PrEP」みたいなことが出来るような状況にしたいなと思っています。そういう外来をですね、その準備として立ち上げております。

タイジ :
国の課題じゃない、それ。オリンピックは楽しいから、そりゃグループセックスもあるだろうし、ゲイ間のセックスもあるだろうし。それをこの話題から避けてタブーとかにしているせいで、感染者が増えるというのは絶対制度としてはおかしいよ。そこは、もう悠先生頑張りましょうよ。

上村先生 :
はい!少し宣伝しても宜しいでしょうか?
私たちACCではゲイ・バイセクシュアル男性を対象に性感染症の検査と治療を行う専門外来をつくりました。それをセクシャルヘルス外来、SH外来といっています。SH外来では、男性と肛門整合することのある方を対象にして、3ヶ月ごとに無料の検査を行っております。これは研究の一環として行っておりますので、そういう趣旨に同意して頂ける方が対象となります。
検査する内容としては、HIV、梅毒、クラミジアと淋病を検査しています。肛門の検査はまだ日本で認められてなくて、なので研究として行っているのですが、そもそも肛門に感染症のクラミジアが起こるなんて、知られてなかったですよね?無症状であることがあって、肛門にクラミジアとか淋病がいるとHIVの感染リスクがあがるんですね。なので、お尻を使ってセックスする方は注意して検査してもらいたいなと思っています。
まだ出来ないのですが、将来的には「PrEP」をこのSH外来で行っていきたいと考えております。

ジョー :
これ、上村先生のミッション大事ですよ!頑張っていただかないと!

タイジ :
間違いなくオリンピックのときは、うわっと人が来ますからね。

上村先生 :
なので、是非リスクのありそうな男性の方は是非来ていただきたいなと思っています。目標500名なのですが、まだ70名ほどなので、まだまだ余裕がありますので、是非来てもらいたいなと思っています。

ジョー :
これは、先生がお勤めになっている国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターの方に行けば受けられるんですか?

上村先生 :
是非病院にいらして頂ければ大丈夫ですし、「SH外来」で検索いただければ一番にヒットいたします。

ジョー :
是非みなさん、こういう機関をご利用いただければと思います。いや、タイジさん、この2週すごく勉強になりましたね。

タイジ :
まだまだ、知らないことが沢山あるね。

ジョー :
情報もそうだし、我々がやらなきゃいけないことが沢山ありますね!

タイジ :
ほんとに見て見ぬフリとか、くさいモノに蓋をしているだけみたいな感覚のことって、とっても多いですよね。結果とっても民度の低い状況になってるんだなって、恥ずかしいですね。国の在り方として。もっと表に出して議論して、改善していきましょうよ。この状況を。

上村先生 :
是非そうしたいと思います。

ジョー :
リスナーの皆様も是非力を貸してください!
今週はゲストに、国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 上村 悠 先生をお迎えしました。先生ありがとうございました!

This day’s select music
ROCKET MAN (I THINK IT'S GOING TO BE A LONG LONG TIME)/ ELTON JOHN

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